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月山筍

春は竹の子、秋は茸と季節限定の偏食の度合いを、私は年を追うごとに深めているようだ。

もう随分昔の話、6月の終わりに、月山にスキーに出かけた。この季節になり、何と、月山はスキーのシーズンが始まったばかり。まだ小さかった娘を前に抱き、姥沢の斜面を何度も滑り、宿に帰っては山菜汁で腹いっぱいにする数日を過ごした。

さらに帰りに寄った、山菜専門の料理屋で出されたのが、まさに旬の月山筍。すっかりその味の虜に、特に味噌汁と竹の子ご飯、普段あまり食べない娘が、お変わりする始末。

一般には、ねまがり竹とか、細竹と云われているイネ科の竹の子だ。それ以後、このみじかい季節限定を待ちわびて、おおやけには喋れないが、ある雪の深い山の、竹やぶに入り込み、出たばかりのねまがり竹を、手に何本も持ち、皮をむきその場で生のままぼりぼり、次から次とむさぼる、浅ましい姿をさらすはめに。お腹をこわしても良いから、本望だからと座り込んでいる、自分に笑いがこみあげてくる。

熊と間違えられるのでは、内心ひやひやしても、その味覚には抗えない。

今年も注文しておいた月山筍が届き、丸ごと焼いて皮をはぎ、口にする。焼いたトウモロコシ、硬い白アスパラガス、どれとも違うアクのえぐみや甘みさ、でもまだ満足出来ず食べ足りない、。また秘密の竹やぶから誘惑の手招きがくる。

会津十念味噌、蕗味噌、胡桃味噌、そして塩をつければ、私の中の月山筍病いはどんどん進行してしまう。それにしても、この時季はあまりに短い。
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by cantare-so | 2005-05-30 11:35 | 和食

シュパーゲル

ゴールデン・ウイークも終わりの夜、ベルリンのホテルにようやくたどり着いた。現在、ルフトハンザ航空でさえフランクフルト経由便でしか、首都ベルリンに日本から直行出来ない。

ベルリンの壁崩壊から16年、かっての東ドイツはまだ社会主義の後遺症がシステム障害を起こしているのを、翌日も街のいたる所で目にした。また失業率も深刻だと聞く。

テレビを点ければ、モスクワで対ドイツ戦勝記念60周年の祭典やら、ユダヤ人への賠償など、祝賀のニュース等は、同じ敗戦国としてアジアの問題を抱える日本人にとつて、割り切れない気持ちが強くする。

それはともかく、美味しい旬の食べ物は憂いを払い、明日の希望で心を充たしてくれる。さて、お目当てのシュパーゲルメニューを、ホテルのレストランで見つけ、大好きなヴァイツェン(白ビール)を片手に、十数本の白アスパラガスを一気にたいらげた。

この幸せを今年も味わえた事に、生きる意欲が湧いてくる。来年もブラームスのシンフォニーの主題を口ずさみながら、シュパーゲル!と注文しにやって来たい。
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by cantare-so | 2005-05-14 11:37 | スペイン