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葛切り

暑い日が続くと、無性に葛切りが食べたくなる。いや、それどころか四季を通じて何時でもそうだ。それも京都の祇園にある店ので無ければ、満足出来ない。何故東京にこの店が無いのか、恨めしく思うことしばしばだ。

二十歳の時、初めて食べて以来、この店の葛切りに恋をした。以来、大袈裟で気恥ずかしいけれど、ひとすじの思いは変わらない。

今では改築して一階に移ったが、かつては木造の少し薄暗い二階に上がり注文をした。独特の二段の器で、上の段には蜜が入っていて、白蜜と黒蜜を選べるが、私は断然黒蜜派だ。下の段には氷水で冷やしてある、少し平たい葛切りが涼やかにたゆたっている。

食べ終わったあとは、氷を蜜の入った器に浮かべ、何度も口に運び入れたり出したりするのも、子どもっぽくひそかな楽しみだ。

他にこの店には季節限定の竹筒に入った高価な水羊羹もあり、心惑い、さて何本買って帰ろうかと、何とも苦しい決断と躊躇を迫られる。
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by cantare-so | 2005-06-29 11:33 | 和食

マドリッドのステーキ

マドリッドのプラド美術館で、ゴヤ、ベラスケス、ムリーリョ、エルグレコなど目白押しの絵画のご馳走にあやかった後、夜は王立歌劇場で「カルメン」を鑑賞出来る何て機会は、めったに訪れない事。

ならばオペラハウスのすぐ裏にあるホテル・オペラの部屋で休み、夕方には体力をつけて、オペラ四幕の殺しの二重唱までしっかり見届けなければ。

こんな時は自分がホセを歌う時と同じように、横丁の肉専門店レストランに飛び込み、肉、それも最低300g以上のリブ・ステーキに岩塩と胡椒だけを振り、赤ワインと一緒にポーコ・エーチョ(ミディアムレア)で口の中に無理矢理つめこんで座席に向かう。

結婚後、妻も私も、我が家では、コンサートの本番前には、ぶ厚いステーキを食べるのが習慣になっている。オペラは演奏するのも、鑑賞するのも体力がとても必要。こんな調子でヨーロッパ各都市の牛肉ステーキの思い出は、オペラの演目と、そして歌手達の良し悪しの声に繋がっている。

さて帰国して、自宅で肉を焼くのは。勿論男の仕事と心得ているが、生山葵、エシャロットを摩り下ろしたバターソース、最後に京都の黒山椒。これはもう決まりだ!

さっきからうろうろしてどのワインを開けようかと、私は迷いに迷っている。
本日のオペラの演目は、私の鼻歌程度にして、気楽に杯を飲み干そうか。
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by cantare-so | 2005-06-13 11:34 | フレンチ