「ほっ」と。キャンペーン

<   2006年 06月 ( 1 )   > この月の画像一覧

長命寺の桜餅

歌舞伎座、六月大歌舞伎の昼の部で、真山青果作、江戸絵両国八景「荒川の佐吉」を観劇した。

やくざの世界に憧れ三下になった佐吉(仁左衛門)は、親分の娘(時蔵)が産んだ盲目の男の子の赤子を、押し付けられる羽目になり、友達の大工辰五郎(染五郎)と男手で育てる。

落ち目になり殺されてしまった親分(芦燕)の仇を討ち、「おとっつぁん」と呼ばれ、可愛くまた賢く育った卯之吉を親元に帰し、旅立っていく。惚れ惚れとする仁左衛門の芝居に、観客からは鼻をすする音。

最後の旅立ちの場面は、桜散る墨田川沿いの長命寺。

そんな芝居を見ながら急に好物の桜餅が食べたくなった。三枚の塩漬けの桜の葉に包まれたあの桜餅。今年四月も花川戸から長命寺まで歩き、短気な私にしては考えられないことに、三十分も列に並んで家に持ち帰ったのを思い出した。

それにしても現在の大川(隅田川)の風景は、何と殺伐としてしていることか。かの日本橋の上に首都高速が架けられたのは随分と昔の話、今から景観を取り戻したいと、少し前に話題になっていたが、春のうららの隅田川も無残だ。特に高速道路わきの某大手有名ビール会社建物の巨大なオブジェは、金の亡者の巨大な排泄物に見えてしまう。

つべこべ言わず、我われ庶民は苦いお茶と桜餅を楽しむのが、まだ残されている事に感謝致しましょう。
[PR]
by cantare-so | 2006-06-24 11:17 | 和食