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すべての道は蕎麦に通じる Ⅳ

 今夏のコンサートツアーは、南信濃、伊那谷の駒ヶ根美術館に決まり、下見と打ち合わせに車を飛ばした。京都の桜を堪能した次の週だったが、まだ桜を見たりない思いがあった。ちょうど幸運なことに、美術館に隣接する古刹光前寺は枝垂れ桜の満開の時期で、晴天の青さにその薄紅色の花朶一つひとつがくっきりと映えていた。
さらに雪の多く残る中央アルプスも姿をあらわし、夏にはコンサート後千畳敷まで登る予定も立てることにした。
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 駒ヶ根には以前から行きたい場所があった。飯田の駅近くにあった店を、光前寺近くに移転開業した「丸富」と言う手打ち蕎麦屋だ。
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早速立ち寄り、「しらびそ」「朝日山」と二種類の蕎麦を注文、いずれも細打ちの風味豊かな蕎麦を堪能した。この近くにはまだ行ってみたい店が何軒かあるのだが、今回は我慢をして桜見を優先する事にした。夏のコンサートの時の楽しみを、ひとつ残しておいて、天下一の桜の名所
「高遠城址」に向かった。
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 まだ陽の残るうちに到着。桜より人の数の混雑覚悟で来たのだが、すでに大型バスの観光客はすべて去った後で、人影も少なく、散る間際のコヒガンザクラはまさに見事の一語に尽きた。何と言う幸せの時だろうか。

 私の頭の中は、咲き誇る桜の花の色でいっぱいにつまり、胸の中は年々歳々過ぎていく人々の思い出が万朶に積み重なり、これぞ最高の春宵感懐をとげた気がした。

 さて話が京都に戻るが、この季節は竹の子を鬼のように齧りたいと、言いまた書いたことがあったが、もうひとつ心待ちにしている食べ物がある。桜の季節にしか楽しめない、「ぐじの桜飯蒸し」道明寺仕立てだ。去年5月、葛井寺の開帳に合わせて千手千眼観音を拝観した折、少し歩いて道明寺の千手観音も訪れ、そこで売られている乾し飯の道明寺粉を横目でにらみながら、来年は京都の料亭で飯蒸しをと思っていた。
 今年、「菊の井」の料理の中に出された時は、千両役者が出てきた時の様に、「待ってました」と一声、まそんなはしたないまねは致しませんが、思わず「ひと年お待ちしておりました」と、ため息をついてから箸をとった次第でございました。
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by cantare-so | 2007-05-17 11:55

すべての道は蕎麦へ通じる Ⅲ

 四月の京都には、せめて一月間は居座りたい。三条かニ条に住処をさだめ、毎日桜をもとめて歩き回りたい。 f0133771_1144894.jpg
 朝はイノダコーヒーのモーニングで始まり、おもむろに新聞を広げて、さて何処に行こうかと思案をする。鴨川沿いの桜から始まり、さて白河に沿って歩いて、どうせライトアップの夜またくるつもりでも、円山公園は通り抜けて、かならず枝垂れを見上げ、疎水をからみながら、哲学のみちへ。あるいは毘沙門堂まで。
 考えるだけでも、迷いに迷う。何処が満開か見頃か、人に聞こうか、いや観光局に聞こうかと、あれこれと、でもそれが堪らなく楽しい。子どもの頃の遠足のような気分になる
 明日は大原野に西行桜を見に行こう。いや奈良の宇陀まで又兵衛桜はどうだろう?いっそ吉野まで遠出を、ついでに明日香の石舞台にまわろうか。
 そうこうしているうちに、嵐山から北山から、醍醐にしょうか平野神社はどうかいな、御室の桜はまだかいな。
車折神社を忘れていたわい。常照皇寺は咲いたやろうか、近頃原谷にも行ってないし、とめまぐるしく日々が過ぎて行く。f0133771_1294190.jpg
 それじゃ、お昼は何処にしよう。古河町通りの「なかじん」さんが今日は休みと、なら鞍馬口の「かねい」さんに、いや今日は五辻の「にこら」さんにと、これもまた悩ましい。
 龍安寺の油土塀の枝垂れ桜でも見て、気を落ち着かせようか、とんでもない、人が多くてとてもとても。
こんなひと月を過ごしてみたいもの。

    
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by cantare-so | 2007-05-14 00:52

すべての道は蕎麦へ通じる Ⅱ

 秩父の墓参の帰りにはいつも手打ち蕎麦「和平」に立ち寄る。そのもそっとした独特の風味が、すっかりやみつきになっている。
この蕎麦の風味に似ているのが越後湯沢の「しんばし」だ。まったく喉ごしは悪い。少し柔らかめの茹で方で、これもやや惜しい気がするが、この辺りでは水準以上。f0133771_14145458.jpg
 ここは蕎麦だけではなく、五月の連休の頃は、山菜の盛り合わせや天ぷらが出てくる。
近くにある「ひょうたん」まではしごすると、さらに何種類かの山菜が楽しめる。
「木の芽」これがこの地方独特で苦くて旨い。あけびの新芽だが、針金のように細長い鮮やかな緑色の芽をお浸しにして、さらにうずらの卵の黄身を混ぜると苦味をやわらげてくれる効果がある。かつお節と醤油だけでも充分だが。
 このところ、この苦味だけを楽しみに毎年のように通っているような気がする。
何しろ、この短い時期にしか楽しめないと思うと、居ても立っても居られないのが、自分でも可笑しなくらいだ。f0133771_1523855.jpg
 「こごみ」「あぶら芽」「うるい」はお浸し、ふきのとうの味噌和え、そして山独活を生のまま味噌につけて齧る、春が来た実感と喜びに、燗酒のすすむこと。
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 さてこれからが、主役の根曲がり竹の季節になっていくのだが、まだ少し出回るのが早いのでこれまた気もそぞろに待ち構えている。
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by cantare-so | 2007-05-12 14:17