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アレクサンダー

本来、私の名前はアレクサンダーになる筈だった。
ジャーナリストだった父が、自分の大好きだった「アレクサンダー大王」に因んで、漢字で凝った名前を考えたと聞かされたことがある。
亜細亜の亜、(あるいは大東亜)。歴史の歴、山の如しの山だと云うのである。
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当然、数百年続く旧家の長男の父、そしてその長男の私の名前がアレクサンダーでは、封建的権化の祖父が許す訳もなく、渋々撤回を余儀なくされたのだった。
結局、親にひいては家に孝行をするように、「孝夫にせい!」と祖父の命名権が下されて決定したようだ。
しかし、今となっては音楽家として欧州等に行く際、アレクサンダー、通称アレックスの方が分かりやすくて良かったのだが、惜しいことをした。
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昨年末、へレースポントスをフェリーで渡る機会を得た。
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英語でダーダネルス海峡、トルコ名はチャナッカレ。
エーゲ海と黒海を結ぶマルマラ海の最も狭い部分である。
アジアとヨーロッパの境でもあり、アレクサンダーが紀元前334年5月に、マケドニアからアジア東征の第一歩を印した地だ。
小学生の時、校内にある図書室の歴史・伝記全集の棚を全て借りだして、読み耽った頃からの、憧れの場所だ。
その海峡を、アジア側からだが私を乗せて来たバスごと40分程で渡り切ってしまった。
少年期のおぼろげな記憶だが、伝記作家の一人はこの早い潮流と吹きすさぶ強風の中を渡ったと記していたように思う。
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それなら、今日の天気はまさにそれだと、強風を一人合点しながら父のことや、自分の名前のことに思いをめぐらしていた。
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by cantare-so | 2013-01-04 18:05