ヴェネツィア・クモガニ

ヴェネツィアでは唯一残っていると言って良い、木製のアッカデミア橋の真ん中で写真のポーズを決めて、私は懐かしい気持ちで路地に入る。

勝気でてきぱき客をさばいているマンマのレストランで、ヴェネツィア・クモガニを注文するためである。甲羅のなかに身をほぐして入れた、塩味だけのサラータでヴェネトの白ワインを一杯!後は小魚のフリットをつまみながら、常連客の話を音楽のように聴いている。

 「食べたくない!」と駄々をこねている女の子の孫とその爺に、それならバター味だけのスパゲッティーを、と優しく聞いている女主人。そんな情景が、私はたまらなく好きだ。
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# by cantare-so | 2004-09-22 11:46 | フレンチ

ガンベロ

夏のヴェニスはかなり蒸し暑い。日中、涼を求める方法はオンブラ(木陰)の下のカフェで風の吹くのをひたすら待つか、観光客の来なくて、天井の高い教会の、礼拝堂の椅子に座って、じっとものを考えないにふける。

そして人の少ないジュデッカ運河に面した、風の吹き抜けるレストランで、遅めの昼を二時間以上かけて居座り続ける。

ヴァポレットの乗り場近くのレストランで、注文した「ガンベロ・グリリア」(車海老の塩焼き)は、大きなスタンドに何本も吊るされて豪華そのもの、でも値段は目が飛び出さないから、口元がついゆるんでくる。

さらに水代わりのフラスカーティをよく冷やしてもらい、あとは時間が風に連れ去られて行くのを、頬杖をついて見るだけ。ヴェニスの幸せ。
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# by cantare-so | 2004-09-05 11:48 | フレンチ

黄金のピッツァ

「真正ナポリピッツァ協会」の公式レシピ会員番号一番の店は、歌声が世界一美しく響く「ナポリ・サン・カルロ歌劇場」のすぐ近くにある。

名物の「黄金のピッツァ」を注文すると、私は黄金のトランペットと呼ばれた、世界的テノール歌手「マリオ・デルモナコ」を連想してしまう。

大きくてお皿いっぱいにのせられた豪快なピッツァ様は、彼の出演したオペラのように堂々していて圧倒される。

例の「マルゲリータ」が舞台上の美しき女王さまとすれば、「黄金のピッツァ」はまさしく相手役の王か騎士かに譬えられるかもしれない。

しかし、聞くところにによるとマルゲリータ様の店は、レシピ騒動には加わらず、孤高の美味しさを提供しているよし・・・・
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# by cantare-so | 2004-08-22 11:50 | イタリアン

フンギ ポルチーニ

いつもせっかちな私は、季節の先取りで、夏の最中でも秋の茸を食べる事をよく夢見ている。
幸せなことに、今年、早くも夏松茸を口にする機会に恵まれた。
 
何年か前のローマも、早い時期から長い夏がいつまでも続き、とても7月の終わりでは、ポルチーニは無理だろうとあきらめていた。ナッィオナーレの通りから路地に曲がり、緑の中庭のある小さなレストランを覗くと、山盛りのポルチーニ。ころんとして豚に似ているので、こんな名前がついた茸だと思い出し、思わず笑みが口元に。

シンプルにソテーしてもらい、塩味だけのイタリア松茸を、額に汗してその香りと歯ざわりを楽しんだ事をよく思い出す。初秋から晩秋まで楽しめ、フランスのセップ茸、ドイツのシュタインピルツとも同じ仲間だが、ポルチーニはまた少し違うように感じる。

日本の松茸も産地によって、風味が違ってしまうのと同じなのかもしれない。
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# by cantare-so | 2004-08-14 11:51 | イタリアン

プフェッファーリンゲン

夏のドイツに出かけて楽しみなのは、何と言ってもプフェッファーリンゲンを食べる事。八月から十月初旬にかけて出回る、あんず茸の料理はヘルシーで、とても美味。

オムレツやシュニッツェルの付け合せに最高だが、シンプルなサラダにして、少し酸味のある白ワインを飲めば、暑さに弱い私にも爽やかな秋風が口の中に吹いてくる。

ミュージカル「学生王子」の舞台で有名な、大学の街ハイデルベルグの木陰のあるレストランから、ネッカー河と古城眺めながら、ゆったりと流れていく時間に身をまかせていたい。

さて陽が落ちてきたので、ツム・ローテンオクセンまで古い町並みを歩いて、「もう一杯飲みに行こう」と、ひとりごと・・・
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# by cantare-so | 2004-08-08 11:52 | ドイツ